アレの読書感想文

あの本と同じ著者だから大丈夫だよね?目次を見た限りではあの本と内容かぶってる気がするけど良い意味で期待を裏切ってくれるよね?と思ってたら,とてつもなく悪い方向に期待を裏切られてしまった.


そこかしこに詭弁論理が使われているのは,まぁ発想の本だからなんとか許容するとしても,明らか過ぎる論理の間違いをされるとへこむ.「形式論理が現実世界では成り立たない例」がひどい.「形式論理が現実世界では成り立たないことがある」という点は,現実世界に数学・論理学を適用する際の問題点だよねうんうんと読んで,「でも具体例を出さないと説得力は出ないかな.どんな例を出すのかな」と思ってたところに出てきたのがあの例だ.


その例では「A→B」「B→C」が成立しても「A→C」が成立しない例を提示しているはずなのだが,どう贔屓目に見ても「AかつB→C」である.形式論理を現実に適用する際の誤差というレベルではない.詭弁というレベルでもない.「悪い例」として本の中では出されているので,間違いをそのままにしたのかもしれないが,それ以外の箇所にちらばる詭弁を見るとそう思えない.


本筋は悪くない.そのまわりの正当化の手法や思想の混入が悪い.


とりあえず,本のタイトルとかはおいといて感想のみ.


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そして雑記.


・せっかくの料理に変な食材が混ざってる感じ.料理人としてのこだわりだったり,その食材を使わんがためにその料理を作ったのかもしれないが,本筋を活かすために諦めることもして欲しい.


・もう片方の本も思想が混ざっていて美味くない.そちらの本は自分に合わないことが主原因と思われるが,この本の場合は明らかに論理的破綻に対する嫌悪.


・この本を見ていると,「自分と同じ考えをしている」→「でもその正当性は詭弁で示されている」→「俺の考えって詭弁でしか正当化できないの?」という風に強制的に自分の考えを見直させられる.良いとも悪いとも言えない感じ.


・詭弁をたくさんこの本で見るので,詭弁対処法がだんだん出来上がってくる.とりあえず,いま言語化できるのは「例え話をされたら別の例え話を考えろ」か.method書いてる時にも「いやいや,この例えだと逆効果ですやん」という例えを思いつくことがあるので,たぶん逆の例えはだいたいの事象に存在するはず.詭弁ならなおのこと.