導出

ゲーム理論を用いて考える。「寄付者」「寄付を受ける施設(以下、施設)」という二人のプレイヤーを想定する。この事件に特化する気はないので、特定選手や特定施設については無視する。


寄付が行われない場合の両者の利得は共に0であるとする。
寄付が行われる場合、「寄付者」は「満足」という精神的な利得を得て、「施設」は「車椅子」という物理的な利得を得る。
このとき、「寄付者」には寄付の分だけ経済的な損失が発生する。「施設」には特に損失はない。


寄付を行うかどうかは「寄付者」のみが選択できる。そのため、「施設」はいかにして「寄付者」に寄付という行動を取らせるかを考える必要がある。そこで発生するのが「寄付者の要求に従う」という行為だ。


一回きりのゲームであれば、「寄付者の要求に従う」というのは口約束でもかまわない。しかし、複数回のゲームであれば、相手に「寄付」を選択させ続けた方が長期的には得なので、多少のコストを払ってでも「寄付者の要求に従う」方が良い。


以上。