現状が許せないなら美食倶楽部を作ればいいじゃない

ようやく,長い間続いた違和感が潰せた.「Wikipediaの品質に文句を言う人」や「エイプリルフールを嫌う人」に対して抱いていた違和感.彼らは「大衆食堂で"この程度の食べ物を出すな"といちゃもんつけるグルメ」なんだ.


例えばWikipediaは(建て前上は)誰でもキッチンに立って料理ができる場所だ.そこで「馬鹿舌」が求めるのは「高品質の食べ物」ではなく「そこそこ美味くて量のある料理」だ.実際,質は多少悪くても,手持ちの辞書よりずっと大量の記事がある.そんな場所で「他の奴ももっと品質にこだわるべきだ」とか「よその国の大衆料理はもっと美味かった」とか言われても困る.


彼らは下記のいずれかが欠けていると考えられる.
・自分がグルメであるという自覚
・ここは大衆食堂であるという認識
・高級料亭に移る行動力,経済力


とりあえず,彼らには「自分はグルメである」という自覚を持ってもらって,「ここは大衆食堂だから高級料亭に移らなきゃ」という意識を持ってもらわないと困る.そのうえで,自分の経済力(時間コストなど含む)を考慮して大衆食堂に甘んじるか高級料亭で食事するかを決定してもらいたい.


で,現段階では「大衆食堂」に該当するのはリアルの辞書とか論文とかしかないか.ネット上に該当するものがないのは問題.ということで,誰かを海原雄山役にして,タイトルの通り「美食倶楽部」を作れば良いのではないか,と思った.加入審査によって「馬鹿舌」を振るい落とし,「グルメ」同士で議論したり情報交換したりする.そこならば「低品質な辞書」も「無価値なエントリ」もないはずだ.ネットの利点を活かしてない様に見えるが,実際には空間的な恩恵(離れた人との情報交換)も時間的な恩恵(ログの参照容易性)も受けられる.


「グルメ」による集合知に多少の興味はあるが,これ以上考察するほどではない.ということで終了.