ゲーム雑考(残りのゲームの感想〜ゲーム以外の感想)

・新人のゲームの発表は4つあったわけだが、そのうちの最後の一つがとんでもない完成度だった。これは確かに最後にしとかないと、他のがかすんでしまう、というほどの完成度。何一つそれっぽい内容をここに書けないのがあれだけども。状態としては、昨日書いた「コンセプトは良いのに出来が悪い」の真逆で、「コンセプトには一番惹かれなかったのに出来が超絶良い」というもの。ただ、そのコンセプトも、自分がターゲットに入ってないだけで、狙い自体は決して悪くない。「どうぶつの森」みたいに、「あぁ、これは自分はターゲットじゃないな」と思ってたのに、ゲーム画面を見てるうちに「あぁ、これはやってみたい。そこをそうしてみたい」と思える。「自分で買いたい」とまでは思わないが、「他人がやってたら一緒にやりたい」と言える。
で、それに相反するかのように、得るものは割と少なかった。「ここをこうすれば良いんじゃないか」とか、色々考えることはあるんだけど、その全てが「妥当」というか「正当」というか、「ゴールがわかりやすい」とか「改善しやすい」とかで、それはわりと誰でもできるかなぁというか、何といえば良いのかわからないが、まぁそんな感じ。ただ、それすらも一つの利点とは言えるし、故にやっぱりすごいなと思う。
ただ、その中で一つだけ、自分の価値観を覆された部分があるので、それはメモしておきたい。
このゲームはWii対応のゲームで、「現実世界の遊びを模倣する」というタイプのもの。この「現実世界の遊びを模倣する」というゲームの最も致命的な欠点として、「それなら現実でやった方が早いじゃん」というのがあり、それが「ひきの弱さ」を作っていた部分もある。これを克服するには「ゲームならではの要素」を組み込むことしかないと思っていたのだが、このゲームでは「王道を貫き通すことで、むしろ現実世界を追い越す」というアプローチを取り、そしてそれが成功している。
例えば「ゲームならではの要素」として「派手なエフェクトを入れる」などがあるが、このゲームでは「意図して」それらを排除し、「いかに現実での遊びに近づけるか」に注力している。そしてあくまで「その結果として」、「デジタルだから収納場所を気にしなくていいよね」とか「デジタルだから場所が簡単に変えられるよね」という「ゲームならではの要素」が組み込まれている。これは「ゲームならではの要素」から考えると到達しにくいんじゃなかろうか、とか書いてみたけど到達自体はできそうな気もしてきた。
まぁとにかく、「王道を貫くことで見えることもある」というのは一つの収穫だと思う。


・残りの二つのゲームからは、あまり得られるもの(というか、ここに書けるもの)がなかったのだが、少しはあるので、そこだけメモ。
最初に発表されたゲームもWiiコントローラを使うのだが、例えば「右手で三角、左手で四角」というような方法での「難しさ」をレベルデザインに組み込むのはアリだなぁと思った。


・ゲームの内容とは関係ないのだけど、企画側の発表を見ていていくつか思ったことがある。
まず、プレゼンもまた「いいもの」よりも「わるいもの」を見た方が得るものが大きい。「ストーリーゲーム」じゃないのに、「ストーリー」を先に持ってこられても困るな、というかその説明は必要なのか、とか。「コンセプト」が来たなら、その次は「具体的にそのコンセプトをどうゲームに落とし込んだか」とかじゃないのか、とか。
ただ、この「改善」っていうのは「良くなる」というか「普通になる」というか、そういうレベルの発見か。しかし、これを積み重ねることで「最善」に至る可能性もあるか。