詭弁対策ツールver.1.0:「見る」→「疑う」まで

詭弁に早い段階で気付くための思考ツール。今回のツールでは疑う部分までをサポートしており、その先の検証作業は提供していません。多くの詭弁に気づくために、詭弁でないものもかなり多く引っかかってしまうというデメリットがあります。


通常インストール:普通にお読みください
完全インストール:サンプルのどの部分が詭弁かまで考えながらお読みください
カスタムインストール:ご自由にお読みください


アンインストール:洗脳は使用しておりません。普通に忘却・上書きでアンインストール可能です。


・比喩
Winnyは包丁みたいなものだ。作った人は悪くない。」
Winny核兵器みたいなものだ。作った人も悪い。」
「知らぬが仏というように、パニックを引き起こさないようにこの事実は隠していた。」
…比喩・例え話・格言によって正当性をアピールするパターン。基本的には、例え方しだいでいかようにもとれる。
簡易対処法:「逆のたとえを考える」


・最悪の状況想定
「食べ物がなくなったら困る→食べ物重要」
「ネットがなくなったら困る→ネットに頼るな」
…普段は考慮されてないが、実際に起こると大変になることを想定して自分の都合の良い結論へと導くパターン。
簡易対処法:「同じ状況で別の答え方がないか探す」「その状況だと他にもっと困ることがないか探す」


・部分からの一般化
「自分は浮気する生き物→男は浮気する生き物」
2ちゃんねるに煽りスレ→2ちゃんねるはゴミ→ネットはゴミ→人間の内面はゴミ」
ゲーム脳を語る脳科学者はトンデモ→脳科学者はトンデモ→科学者はトンデモ」
…一部分でのみ正しいことを全体でも正しいかのように扱うパターン。
簡易対処法:「大きなカテゴリ(男、生物、ネット、学会)が出てきたら疑う」


・ラベル張り
「あいつはソニー信者だからWiiを叩いている。」
ホリエモンは犯罪者だ。だからホリエモンの論理は間違っている。」
「この論理は詭弁で正当化されている。だからその結論は間違っている。」
…相手に(事実の有無にかかわらず)マイナスイメージのラベルを張り、それによって相手の行動や結論を間違いであるとするパターン。
簡易対処法:「ラベル以外の根拠が示されているか」


・消去法
任天堂信者でないならソニー信者だ。」
ソニーを馬鹿にするのは任天堂信者だ。」
「ゆとりがダメなら詰め込み教育が良いと言うのか。」
「ゆとりも詰め込みも駄目だと言うなら教育を放棄しろと言うのか。」
「相手は間違ってるから自分は正しい。」
…「AでないならBだ」「AでもBでもCでもないならDだ」というパターン。上の例のように、「Aなら〜をしない。だから〜をするのはBだ」のような様々な派生がある。
簡易対処法:「本当に挙げられたものしか存在しないのかを考える」


・定義の違い
「偽善は悪である。だから、"やらない善よりやる偽善"は間違いだ。」:善、悪、偽善の定義は人によって異なる
「それは根本的な解決にはなっていない。」:根本部分の定義は人によって異なる
「ブログは議論の場だ。だからきちんとした文章を書かねばならない。」:ブログの定義は人によって異なる
「それは詭弁だ。」:どんな場面で使うのが詭弁か。どの程度不明確なら詭弁かも人によって異なる
…人によって定義・解釈が異なる単語をそのまま使う、あるいは定義を誤解して使うパターン。議論がかみ合っているなら特に問題にはならないが、往々にしてかみ合わなくなる要因になる。
簡易対処法:「自分の定義で考えてみて、その結果が導出されるかどうか確認する」


・目標の正当化による手段の正当化
「知識はあった方が良い。だから積め込み教育を推進すべき。」
「個性があった方が良い。だからゆとり教育を推進すべき。」
「死刑執行人に辛い事を押し付けるのは酷だ。だから死刑制度は廃止すべき。」
…否定しがたい目標を掲げ、その正当性を主張することで手段までも正当化しようとするパターン。一つの目標に対して複数の実現手段があるのが普通。
簡易対処法:「目標だけでなく手段の方も正しいかを見る」OR「目標実現のための別の手段を考えてみる」


・結果からの原因の決め付け
「頭が悪くなるのはゲームが原因だ。」
「頭の悪い人の口癖は〜である。だからその口癖を言う人は頭が悪い。」
「これは詭弁パターンに当てはまる。だから詭弁だ。」
…特に考察をせずに結果から原因を断定するパターン。観測される結果が同じであっても、原因や本質部分まで同じとは限らない。
簡易対処法:「結果を根拠にしていないか」


・違う条件下での論理の適用
「転載賛成派ですか。なら勝手に転載して構いませんね。」
「国際社会では〜が主流になっている。だから日本も〜にすべきだ。(死刑制度、著作権法etc.)」
「1+1=2だから、米1リットルと小麦粉1リットルを足すと2リットルだ。」
「(エッセイやブレインストーミングに対して)その発言に根拠はない。詭弁だ。」
…「条件→結論」の条件の部分を無視して結論だけ持ってくるパターン。
簡易対処法:「その結論はどんな条件で成り立つか。今の議題はその条件を満たすか。を考えてみる」


・検証不能
「頑張らないと、あんた来年には消えるわよ」
「最近の学生はやる気が低下しており、抜本的な対策を行わねば大変なことになる」
…数値化などで確認することができないことを言い、結果次第で「頑張ったから消えなかった」「頑張らなかったから消えた」と付け加えることで、どのような状況でも自己正当化が可能なパターン。検証可能な例は「改名しないと、あんた来年にはレギュラーの数が減るわよ」などがある。
簡易対処法:「どのような状況になればその発言は間違いといえるか。その状況で言い逃れは可能ではないか」


・相殺(このパターンはまだ未完成です)
「タバコ分の税金を払ってるんだから駅でタバコを吸っても良い」→同じ理屈で「消費税を払ったから楽器を大音量で鳴らしてよい」
「他の奴は罰を受けてないのに、自分だけ罰を受けるのはおかしい(泥棒、痴漢、自転車放置etc.)」→同じ理屈で「脱税してる奴がいるのに納税しないといけないのはおかしい」
「ここに自動車を停められると困るんですけど→お前は自動車を停めたこともないのか。」→同じ理屈で「露出行為は犯罪なんですけど→お前は服を着たまま風呂に入るのか」
…相手の非難に対して小さい非難で打ち消そうとするパターン。
対処法:「お互いの非難を金銭で解決する場合、その差は小さいか。同じ理屈で何が言えるか。を考えてみる」